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デュアン・オールマン、ベリー・オークリー亡き後、ABBの主導権をグレッグ・オールマンとディキー・ベッツとで争うこととなり、ABBはいい関係を保つ事はできなかった。そんな中で、前作[Laid Back]をリリースしたグレッグであったが、そのツアーの録音。このツアーにはさすがに、スタジオ収録時に参加していたジェイモー・ジョハンスン、ブッチ・トラックスなど、ABBのオリジナル・メンバーは参加していないものの、弟分であるCowboyの面々を引き連れてのものであるだけに、のんびりとした内容になっている。悪い言い方のようだが、やはりグレッグはある意味「お山の大将」的な存在が本人の性分に合っているのか、のびのびと歌い、演奏をしている。また、チャック・リーヴェルと言う強力なアーチストを右腕とすることができ、安心しているかのようにも見える。そんな安心感からか、Cowboyの楽曲(-05[Time
Will Take Us - Cowboy]、-06[Where Can You
Go? - Cowboy])をもアルバムに敢えて収録しているのが面白い。-01[Don't
Mess Up A Good Thing]は前作[Laid Back]からのものであるが、スタジオ録音よりもグレッグのオルガンと女性コーラスを前面に押し出されゴスペル色が濃くなっている。-02[Queen
Of Hearts]も前作からのものであるがオーケストラを加えた編成となっているため多少印象は違う。ジャズフレイバーを持つこの楽曲もストリングスが加わることで更なる洗練された印象を与える。これも勿論、チャック・リーヴェルの案だろうと思われる。ABBではブルース、ゴスペル、カントリーといった要素が3つの大きな柱であったが、デュアンとディッキーが欠落するかわりにチャック・リーヴェルという存在がある為、ゴスペルとジャズという2本の大きな柱となった。当然の成り行きと言えるだろう。-04[Stand
Back]はお馴染みABBの[Eat A Peach]からの選曲であるが、ここでも、ホーン、コーラスを前面に出すことで音に厚みを出し、ゴスペルの要素を取り入れることで新しい曲として生まれ変わらせている。-08[Dreams]はABBのファーストアルバムから。この楽曲でも長いソロはサックスがとっている。サザンロックからの脱却期にあたるライブアルバム。 |
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Polydor |
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1974年 |
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Johnny Sandrin
and Gregg Allman |
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(01) |
Don't Mess Up A Good Thing |
(02) |
Queen Of Hearts |
(03) |
I Feel So Bad |
(04) |
Stand Back |
(05) |
Time Will Take Us - Cowboy |
(06) |
Where Can You Go? - Cowboy |
(07) |
Double Cross |
(08) |
Dreams |
(09) |
Are You Lonely For Me Baby |
(10) |
Turn On Your Love Light |